舘そらみのオトコミシュラン

2017年は、セブ島か東京に居ます。

「落ちるな中学生」が終わり、今思うこと

(お陰様で先月末、3年ぶりの演出作品となりましたFunIQ×舘そらみ「落ちるな中学生」が幕を閉じました。大好評でした。自分で言います。渾身の作でした唯一無二な作品でした。ありがとうございました)

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ふむ、今思うこと、とな。

ふむ、あまり何も思っていない。

強いて言うなら、いい作品だったと心底思うので「再演を目指していかねばなー」とか思っている感じである。

 

全くもって、不思議なもんだなーと思う。

最後の回が終わる前は、私は結構役者のことを役名で呼んだりしてた。(稽古が進むにつれて、本名と役名が混在していた)

 

でも最後の回がもう終わったあとは、決して彼らを役名では呼ばない。呼び間違えも一切しない。

あまりにもみんな可愛かったので「かわいいねえかわいいねえ」とすぐ口に出していたが、最後の回が終わると、「かわいいねえ」ではなくて、「あ、素敵な俳優さんだな」なんていう大人の関係に戻った。

 

「終わるのさみしいなあさみしいなあ」とか言っていたくせに、実際に終わると、

そのあまりにも跡形の無い終わりっぷりに、「さみしい」という感情は芽生えなかった。

 

「今もう一回やれって言われても絶対できないよね」と、劇場の片付け作業の合間に俳優と話してた。

終演して2時間ほどしか経過していなかったが、とてもじゃないけど、もうあの世界を作り上げることは出来ないと思われた。それは体力的な何かではなくて、あの世界を作り上げるハシゴごと消えてしまった感じ。

 

不思議なもんだ。

 

役者というのは不思議なもので、ある時点から急に役として輝きだす瞬間がある。

本人が「掴んだ」と思う瞬間がある。周りも「今日〇〇きたねー!」とか言いたくなる瞬間がある。

それは、ガラスの仮面に出てくるような「仮面をかぶったわ!」なんて安易な瞬間ではなくて、

 

役の行動原理というか、精神構造というか、そういったものを役者が体感した途端に、

一気に人間になったりする、不思議なもんだ。

 

それは、脚本にしても一緒で、

何回か書きかえ稿を重ねていくうちに、突然確変する瞬間がある。

俗に言う「役が勝手に動きだす」的な感じなのだが(ダサい)、それはもちろん勝手に動きだすのではなく、

それぞれの役の人物像が私の中で突然ビビットに明確になる瞬間。

すると、突然とんでもなく魅力的にイキイキと語り出し、とても繊細な喜怒哀楽をたどりだす。

 

人間を理解するというのは、兎角時間がかかるものですな。演じるにしても、書くにしても。

 

そんな風ですから、終わった今、もう紛れもなく「終わった」ので、それはつきものでも落ちたかのように完全に雲散霧消に消え去ったので

 

なんというか、

本当にお付き合いをいただいてありがとうございました。

 

ありがとうございました。

わざわざ時間を割いて足を運んでいただく、そのことが心にしみます。

残念ながら演劇は、これからも皆様のおうちに夜中に現れることはできないので、

そしてやってると思ったらあっちゅ~まに霧のように消えてしまうので、足を運んでください。

 

「落ちるな中学生」。

なぜ男性が女子中学生を演じたの?とか、あそこの意味は?とか、色々ライターノーツ的に話したい気持ちもありますが、

もう次の作品で頭がいっぱいなので、次の作品を頑張ります。

 

素敵な作品だったでしょ?あはは。

愛ある作品だったでしょ?あはは。

当日にお配りした紙に「この作品で世界が平和になれと思っている。それくらい思わないと書けないし作れない」的なことを書いたんだけど(うろ覚え)、

まあ、本番前ののぼせた頭だったから書いたのではなくて、私はクソ真面目にそう思っているよ。あはは。

あははと言わなきゃ書き記せないバカヤローだけど、これからも信じるものを作りたいですあはは。それで幸せな世の中に近づきたいからあはは。

これからも、どうか舘そらみの作品を逃さないでくれよな!他の誰でもない、私しか作れないものは、紛れもなく作ってるから、あはは。

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こんなにもものを作るのがクリエイティブで尊いのだということを、教えてくれた出演者とスタッフの皆様に、FunIQに、心から感謝します。夢みたいな瞬間をたくさんありがとう。最後の最後まで、「なんつーいい作品なんだ」と驚き続けられたことにただただ驚きます。

 

またいつまで作り続けるかわからないけど、演劇さん、ありがとう。

 

 

 

「オラ、強くなりたいんだ!」と、仲間たちと12時間公道で立ち続けます。

色々お話したいことが溜まって来ているので、書くのも良いけど直接話す機会があったらいいのになあとか思っている。

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