自分の書いた本で、初めて腹を抱えて笑った
脚本を書くのは、時間がかかる。
他の人は知らないけど、私はなかなかに時間がかかる。
テーマを決めてからイメージ探しに数ヶ月。
数ヶ月探し続けてると、ふと車内の会話や美術館での絵画に触発されて、
「あ!!こんなシーン作りたい!」って一瞬がやってくる。そこからやっと具体的な作業。
登場人物はどんな人にしようか。
その人たちは、何を大事にして生きてるんだろう、どんな家族構成なんだろう、どんなコンプレックスを持って、どんなデートが好きで、、、そんな妄想から少しずつ肉付けをしていって、
人物相関図を何度も書いて、いいバランスを探していく。
そんで、構成練って練って練って
脚本書いて、直して、書いて、直して。
特に途中からは手書きにしちゃうから、ずーっと書いては消しの繰り返し。
と、何を言いたいかと言うと、
そんな風に作っちゃうからこそ、私は脚本へのこだわりが猛烈に強い。
だからいっつも、「ああ、もっと面白くなれるはず!」っていつまでもこだわっちゃって、役者さんにもスタッフさんにも、なかなかOKを出さない。
そんで、みんな疲れちゃうの。何より私も疲れちゃうの。
そんなことを繰り返していたら、「何が面白いのか分からない」ってなっちゃって、演劇から逃げ出してもう作るのを辞めた。数年前の話。
(ここまでが、前置き)
でもやっぱり演劇がクソほど好きだから、復帰した。
それが、「他重人格」という作品の話。
その作品が、なんだか猛烈におもろいことになっている、という話。
福島三郎さんという演出家(こんなに懐の広い演出家を見たことがないよ!)に全てを託し、他の仕事にうつつを抜かして2週間。
久しぶりに本番直前の稽古場に見に行ってみた。
お腹抱えて笑っちゃったし、少し泣きそうにもなっちゃったよ。
嘘だろ、自分が書いた本で。
こだわりが強すぎて、自分の本で、笑いも泣きもしない鉄仮面だった人間が。
涙流して笑っちゃったよ。心震わせてしまったよ。
(さてさて、自分の思いなんて書いてしまうと、)
私の中で、これはとてもチャレンジングな執筆だった。
「もう守るものはない。今こそ、裸になって、挑戦したいことを、やってやろうぜ」
と思って、ワクワクを止めずにそのままドンドン、書いた。
それを、全身で応援してくれるプロデューサーや演出家も居て。
もう、とにかく「守らない!!!」と思って書いた。
(そろそろこのブログの目的が分からなくなってきた)
そしたら我ながら、「超挑戦的な良いホン書けたじゃん!!」て満足感感じてたら、
(いや、「面白いから来てください」なんてブログは書きたくないんだ)
ちょっと、そんなもんじゃない面白さに演出家と俳優陣が作り上げてた。
ものすごく変な作品なんだけど、きっと変な作品なんだけど、
なんか、すごい暖かいんだよ、すごい登場人物が愛おしいんだよ。
(何より、一昨日まで居たフィリピンで虫に刺されて、左腕が動かないんだ。)
だからさ、人間に興味がある人は来てみてよ。
知らんけど、こんな作品見たことないよ。知らんけど。
人間の多面性に焦点を当てた、問題提起型コメディーだよ、うぷぷ。
なんだそりゃって感じだけど、本当に真剣にそうなんだよ。
よくぞまあこれを、形にされましたよ!
(そろそろ締めたいのに、どうも核心がつけていない)
私は、この作品で演劇に復帰する。
私は、演劇が大好きだから、演劇が持ってるパワーを、心底信じて作っていきたい。
その、初陣を飾りやす。
この作品で、我が演劇人生の第二章が幕開けます。
見に来てけれよな。
てか、見にこいよ。見ないとか、おかしいだろ。
TATICA STAGE2
『他重人格 WHO AM I?』
作:舘そらみ
演出:福島三郎
7月12日(水)19:00
7月13日(木)19:00
7月14日(金)14:00/19:00
7月15日(土)13:00/17:00
前売4500円
当日5000円
(全席指定)
出演:山崎彬、大久保聡美、貴瀬雄二、村井まどか、小林瑞紀、野崎数馬、多田直人
照明:松本大介
音楽:瓜生明希葉
音響:反町瑞穂
美術:秋山光洋