【住所不定化計画】生きる場所と、共に生きる人を思う。
さて、夏ぶりにセブ島についた。
どうやらここに来るのは今年に入って7回目のようだ。
この感覚は何なんだろう。
セブ島に着くと、「うわ、超背筋伸びてるじゃん」と驚くことがある。
セブ島に着くと、背中がピーンと伸びて、私は颯爽と歩く。
そして、いつのまにか絶えず口角は上がっており、すぐ笑う。
総じてつまり、とにかく居心地が良い。心が華やかになり、足取りは軽くなる。
人や見る景色が全て好意的に見えてきて、
創作欲求が猛烈に上がり、椅子に座った途端物語の世界にスッと入れる。
なんなんだろう。
セブ島だけが特別というわけではなく、居るだけでそうなる土地がある。今まで40カ国近くの国を行った気がするが、うち5カ国くらいがそうだった。
居るだけで、もうどんどん理想的な自分になっていく場所。
反対に、居るだけで気分が滅入る場所もある。そこに居るだけで、いろんな人に腹が立ったりネガティブになったり。
場所って本当に大事だなって思う。
残念ながら故郷がそうな人は、どうしたらいいのだろうか。
「日本を出よう」と2017年初めに思ってから、始まった異国と日本との行き来生活。
セブ島だけでなく色んな場所に行き、仕事をしてみた。思っていた以上の不安と、思っていた以上の開放感があった。
初めは「移住先を探すべ」と思っていたものの、異国にいすぎると如実に仕事が減っていく危機を感じ(どうせ日本にいないんでしょ、と仕事がふられない)、行き来生活がちょうどいい、と初めて10ヶ月。
今までないほどに、元気に、朗らかに、過ごした。
ああこの生活を始めてよかった、と、実感しきりだ。良かった良かった。
さて、でも、どうしようか。
このまま続けてもいいんだけど、やはり何かしらのタイミングで「どうしようか」はやってくるわけで。「どうしようか」は「人生どうしようか」なわけで。
久しぶりにセブ島に来て、こんなにもテキメンに変わる自分を感じて(今、セブ島到着まだ1時間)すると、「やっぱ本拠地をこっちにした方がいいんじゃないか?」の思いがよぎったり。
「仕事仕事と言ってるけど、より幸せな場所を選ぶのがやっぱり大事なんじゃない?」とかよぎったり。
そのくせこの仕事が大好きだし、やっと仕事になってきた”日本語を書く”という仕事を、捨てたくない。そう思ったら日本語と距離を取るのは得策じゃない気がするし、芸術に簡単に触れられる日本の居場所も捨てるには惜しい。好きな人もあの土地に沢山いるんだ。ああ、優先順位って難しい。
人との別れの時期だったりして、なんだかいろんな思いが去来して、泣きそうになってる今。どこに住むか、と、誰と生きるか、どのくらい1人で生きたいのか、どのくらい人と分かち合いたいのか、いつまで生きたいのか、何をもって生きたいのか。自分が幸せでいたいのか、誰かを幸せにしたいのか。
毎日楽しく、いろんな人と朗らかに生きたいな。
新しいことをいつでも面白いと思える、心のジャンプ力と余裕を持ち続けて、
現実よりも空想の方に少しだけ比重高く足元突っ込んで、気づけば空を見上げているような、そんな生活がしたい。
そうして、お互いに愛おしいと思える人々と、厳選された会話を少しだけ繰り広げて、外でお酒なんて飲んで深い眠りにつきたいな。
なんて、セブ島は私をセンチメンタルにさせてくれます。
最近ずっと仕事で気をはっていたもんで、久しぶりにあまりにも柔らかく(スライムのように)溶け始めた自分の心の感じに今面食らっておりますが、
これぞいい機会、と、子供のような素直な心と向き合ってみるか。
「日本から出ると嬉しくなっちゃうこの悲しみ」について書こうかと書き出したけど、ここに居ると、悲しみとか書く気にならなくて、「故郷を愛せないとかどうでもよくない!?」と途端に青空が言ってくるので、書くことが変わった。
今言いたいのは、合わない土地にずっと居ると、きっと自分がどんな人間か忘れちゃう。自分がどんな人だったか、久しぶりに思い出してホッとしてるなんて気持ちと、
少しだけ、好きな人たちに会いたいなという寂しさなのでした。
そうだった、異国に来るとすごい孤独が襲ってきて急に泣きたくなったりする。この感覚が、すごく好きで。てか、この感覚が全ての始まりだと思っていて、でも日本で好きな人たちばかりに囲まれてると孤独なこと忘れちゃうから、忘れると愚鈍になっちゃうから、この猛烈に寂しい孤独感がやみつきだ。
— 舘そらみ (@_sorami) 2017年11月9日
寂しいと行った途端に、数ヶ月ぶりでありながら「そらー!」と言ってくれるフィリピン人に猛烈に幸せになったり、でも遠くの空見てまた泣きたくなったり。七転八倒するじゃじゃ馬心が捨てられないし、さあ、七転八倒しようかな。
今日は、カフェを巡って原稿を書いて、お金がないから両替に行かないと。夜は、こっちに住む日本人と、仕事のタネを探します。