舘そらみのオトコミシュラン

2017年は、セブ島か東京に居ます。

2017、こんなことをしていたベスト10。

 

2017年が終わるぞしかし。

バタバタと始まり、バタバタと暮れていく気がする。年末に振り返っとくと、バタバタの毎日の帳尻が合わせられる気しちゃったりなんかしちゃったりして。

てことで、今年やったことで印象に残ったことベスト10。こんなことを、していた。

 

第10位 Xは今年も最高だった。

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ランクインさせないわけにはいかないぜXJAPAN

一昨年に続き今年も国内ツアーが行われ、全日程参加しnoteに綴った

忘れ得ぬのは、生まれて初めてラジオでXの曲をかけたこと。 

 

何をかけるかの相談に、567人もの人が提案してくれてもうX愛すごいな、と。小学生の私がラジオの前で嬉ションする気がして、もう万感の思いだった。

と、今年もずっとXが一緒の日常であった。日常をランクインさせるんじゃない、いいの、一生ランクイン。

 

第9位  新しいWEBコラムがスタート

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AMで連載をもたせてもらって2年近くが経つ。駅前で女の子をナンパして恋バナを聞かせてもらうコラムが終わり、新たに「人と少し違う生活を送る若者」を取材する、「12人のイナセな私たち」が始まった。一つの連載が始まるのは、本当に大きいこと。

姿も分からぬ誰かに届いてしまうWEBの記事は、実はまだ少し苦手で少し怖い

だからいつまでも七転八倒なんだけど、WEBで読まれるにはどこかそぐわない私の文章を依頼してくれる企業があるということは、WEBの文脈にそこまでおもねらなくてもいいということだ、と理解して出来るだけワガママに書かせてもらっている。

苦手だからこそずっとずっと難しくて、大きな影響を与えてくれる、WEB。ずっと奮闘していたい。

 

第8位  演劇、復活ぅううううううう!

こりゃ、とんでもないことだ!3年前に脱兎のごとく逃げて、今年演劇に復活をした。 

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6月には復活の前哨戦として、公開ワークショップ&発表会

堀川炎(世田谷シルク)・藤原佳奈(mizhen)の演出家両名との共同開催で、二日間それぞれが演劇的手法を好き勝手試し、最終的に作品発表も。日頃の作品作りではなかなかチャレンジできない小さなアイディアをどんどん試してみることで、見えてくるものがある。「うわあ、よくそんなの思い浮かぶな!」の実験の連続で、嬉ションするほどにかぶりついちゃう時間。「稽古って、本当はもっと自由でいいんだよね」なんて3人で話して、終了。”いつかやってみたい”リストの俳優さんたちが集まってくれて、もんのすごいクリエイティブな時間。

 

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そして7月に、脚本家として活動再開。東京芸術劇場で、「他重人格」。相手の理想を演じ続けてしまう男の末路の話。久しぶりに書く演劇の脚本は、あまりにも制約がなくて自由で。取り憑かれたように稿を重ねた。

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8月9月は、中高生と一緒にワークショップをしながら高松と千葉で作品作り。その年代だからこその刹那的な思いと、見ている人間を思わず綻ばせる明るさと。本番の化けっぷりに、思わず客席で涙を流しちゃうわよ、コラコラ。

 

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そして、10月には演出家としても復帰。FunIQ「落ちるな中学生」。おじさんたちが女子中学生を演じる作品。正直、素晴らしい作品だった。

 

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そして12月に、自分の劇団も復活。ガレキの太鼓で「リアル一軒家、のぞき放題」と題し、一軒家の中で演劇を実施。あっちの部屋、こっちの部屋と、何部屋もが同時進行で人々の日常が進んでいく。演劇のお約束を出来るだけ排除したくて、客席や開演時間など色んなものを無くしてみた。それで十分に面白いんだよなあ!!作り手側こそが、”かくあるべき”なんて常識に囚われているのかもしれない。冒険させてくれたことが、ありがたい。またやります。

 

と、演劇復帰年でありながら、3小発表、3公演(うち一つは脚本のみ)とたくさんやった。

あまりにすんなりと復帰できたから、己で驚いたわ。

もう復帰が実は怖くて怖くて、去年からずっとなんとか復活のその日に照準を合わせようと意識しまくってきたのに、当たり前のようにすんなりと戻り、当たり前に演劇をする日常に戻った。・・・好きって、すごいな、と

私は演劇が大好きなので、休んでる時も演劇のこと考えるのを止められなかったし、公演をするイメトレなんてよくしてた。そうしたら、ブランクなんてなかった。好きは、すごい。

高校演劇の審査員業や外部講師経験も、私への影響力絶大で、多方面からどかーんと演劇にまた戻ってきて、よかったぁ!また離れたくなるかもだけど、とりあえずよろしく演劇。

 

第7位  父と一緒に語学留学

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人生予想外のことが起きるもの!父親と、セブ島に共に語学留学をした。

家族は恥ずかしくて見てられないレポート↓↓

初めての二人旅、ほぼ24時間同じ生活。

異国の地で父と二人っきりで初めての経験に共に挑むというのは、お互いを捉え直す絶好の機会で本当にいい。ましてや滞在先が途上国だからこそ、それぞれ人間性がむき出しになっていい。

同じ日々を過ごし、途中本気の喧嘩もし、腹を割りあって話し合い、最終的にお互いに優しさを湯水のように発揮しまくるようになり、ものすごく仲良くなった。

 

f:id:soramidate:20171231174023j:plainお互いのことをとにかく考えることで、それぞれが自分の人生や家族のことを考えまくったように思う。その結果、「お互いへの感謝と尊敬」が驚くほど現れたのだ。

父娘の関係は完全に変わり、すごく仲良くなった。今までしなかったような突っ込んだ会話も自然にするようになった

そして何より父が、セブ島留学を経て何倍も若返り、柔軟な人間になったことが嬉しくてしょうがない。

異国の地で共に学ぶということ、ものすごく、素晴らしいです。

 

第6位  愛すべきロボットに、一助になればと

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2017年出会ってよかった仕事ナンバー1!今年は、株式会社こころみさんと一緒に家庭用ロボットのセリフをワンサカ書いていた。

色々書いたけど、特に力を入れたのが「ここくま」。一人で暮らす高齢者の方とお話をするロボット。そのセリフを、書いた。

 

私は今まであまりロボットに魅力を感じていなかったし、てか基本的に「原始時代にもどろーぜ」と思っている人間なので、最先端技術には惹かれない。それでもこのここくまは、実際にセリフを書いてみて、運用されるのを見て、その存在の力強さに驚きまくっている。

ここくま(家庭用ロボット)が居ることによって、人々の生活が豊かになることはほぼ確かにあって、更に「より人間を大事に思う」効果も確実にある。ロボットが居ることでコミュニケーションが減る、なんてそんな安易な予想はちょっと違うみたい。

例えば私がセリフを書いてるここくまも、この子と話をすることによって、高齢者の方がどんどん元気になっていったり、会話の面白さを思い出したり、他のことへのモチベーションにつながったり。そんな姿を見て離れた家族も喜ぶし、実はより家族の絆を深める効果もあるみたい。

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ロボットとのコミュニケーションは、実は人間とのコミュニケーションよりも豊かであったりする。それに影響を受けて、今度は対ヒトとの会話になった時に、よりお互いが幸せなコミュニケーションが取れるようになっていたりする。ロボットが、人間生活を活性化することってあるんだと思う。

思うというか、そうしないと。だから、ロボットのセリフをこれからも書こうと思う。ちゃんと葛藤も揺らぎも持った、ロボット像を。「所詮ロボットだから」なんてバカにされない、誇りあるロボットにしたい。それによって、本来、会話とは、相手を理解し尊重するものであるということを、ずっと忘れずにいたい。

てことで、ロボットのセリフ書きクリエイターとしてやっている。来年も色々書く。

 

第5位  完全にアルバイトを辞めた。

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何かを成し遂げた、ではなく、辞めた、という話。

数年前からバイトはかなり減らしていたものの、完全に辞められはせず、それが、今年完全に辞めた(最後のバイトはバーと葬儀業)。

辞める最後の引き金となる収入増をもたらしたのは、「絶対バイトを辞める」という大きな決意だったりするから、なんかそーゆーのあると思う。

さて、ずっと続けてきたバイト生活を完全に辞めてみて・・・。

正直、しばらくは、キツかった。

恥ずかしい話だけど、「名指しでくる仕事」のプレッシャーへの向かい方が全然わかんなかった。誰も助けてくれない仕事、失敗したらあとがない仕事、そんなプレッシャーに絶えきれなくて「これ、書けなかったらどうしよう」なんて不安が募ってどんどん書けなくなる日々。

締切と仲良くなる方法は、まだわかんないなあ。正直、その不安と向き合える強い精神で居る方法を、日々模索しているのかもしれない

 

バイトを辞めたことで色々変化した。散財しなくなったし、自分のものよりも「人へのプレゼント」を買ったりするようになった。収入が増えた訳ではないのだが、ゆとりが生まれてきた。

しかしながら今、わざと月に1回はアルバイトを再開している。辞めて気付いたのは「バイトの人」の視線から見える世界は実に特殊だ。「バイトの人」に向けられる視線もとっても特殊。それを忘れたくなくて、続けている。何より60分がちゃんと60分に感じられる”時給”って感覚を忘れたくなくてやっている。

 

「絶対に食えるようにならなきゃ」なんてものすごい思ってたけど、食えて思うけど、そんなんどーでもいいな、と。別に正直、アルバイトに戻っても全然いい。お金を稼ぐという行為自体にしっくり来ないから(資本主義に馴染めてない人)、そこは結構どうでもいい。実際今、お金になんてならないこといっぱいしてる

でも、「あ、私お金のことどうでもいいんだなー」って気づけたのは、「絶対に食えるようにならなきゃ!」呪縛から解き放たれたことで、そんな今年だった。 

 

第4位  一日中道端で、人に見られた

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「人が人に見られるとはどういうことか」を知りたくて、一日中東京の道端で人に見られた。

 

ハチ公前に始まり、ラブホ街や大学キャンパス、電車の中まで。朝の9時から夜の9時まで、「私を見つめてください」の看板を掲げて練り歩いた。

哲学者・舞台美術家・ドラマターグ・カメラマンとチームを組み、見られ続けることで私に訪れる精神的変化を哲学的に分析してもらいながら行った。報告会までした。

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ものすごく刺激的で、ご飯8杯食べられるような1日だった。(報告書、近日出す)

 

「知りたい」の思いだけの出発点でも、実行していいんだなあと痛感した。そんな欲求から始まっても、しっかりと真面目に追求さえすれば、身のあることが訪れるんだなあ、と。

 

第3位  演劇ワークショップを、一生の仕事と心得た

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ここ数年、演劇を使ったワークショップにとにかく力を入れている。

今年もたくさんやって、対象は幼稚園児から大人まで。北は福島から南はセブ島まで。

演劇を使ったワークショップと言っても、脚本や発声練習をするのではなく、「何かアイディアを出して、それをやってみる」の繰り返しをするだけ。

 

演劇って、「みんな違ってみんないい」を体感するのにすごく、便利なツールなのだ。

言い換えると、

「ここでは誰もあなたを評価しないし、周りに合わせる必要は全くない」という安心感を持ってもらうことにすごく適している。

その安心感を得ると、みんな別人のようにクリエイティブになり、朗らかになる。(大人も含め)

 

ワークショップを色んなところでやっていて思う。 

人間は元来、ものすごくクリエイティブな存在で、驚くほど個性が立っている存在だということ。自分でもそのことに気づいてないけれど。

そしてそんな自分になった時、本当にみなさん気持ち良さそう。自分でも知らなかった自分の能力と人との関わりに、すごく気持ち良さそう。

 

個性が大事とか行動力が大事とか言うけれど、もともとそんなん持ってるんだから「伸ばす」ことよりも「ポテンシャルを発揮できる」環境を作ることが大事。その環境さえあれば、いっくらでも個性豊かで軽やかな姿が現れるんだから。

「ここでは誰もあなたを評価しないし、周りに合わせる必要は全くない」という前提さえ全員が信じられる環境が作れれば。

 

そんなことを、色んなところでやっている。特に子供たちとのワークショップにとにかく力を入れている。

だって、驚くほど子供達が生きにくそうだから。今年高松で行った、中高生対象のワークショップで、「学校は辛いし窮屈だけど、こんなに自由な場所があるって知って強くなった気がするから、学校でも頑張る」と涙ながらに語ってくれた中学生がいた。

そういう子達に向けて、これからもワークショップをやっていきたいな。

本来はものすごく能力があるのにそのことに気づけてなくて窮屈さを感じているみんなに、「あんたはすげーぞ!」って言い続けたい。それが世界平和に繋がる気もしてて、あはは。

どこにでも行くし、その場所に適したプログラムを作るので気軽に声をかけてちょ。お金無ければ無いでいーし。

 

第2位  移動しながら生きるということを試し始めた

2017年はこればっかやってた。

家に居るのは月の半分以下。あとはずっと、移動してた。セブ、タイ、ミャンマー、福島、金沢、大阪、小豆島などで、昼間は外で執筆し、夜は宿で執筆した。

セブ島との出会いは特に大きく、今年は8回も通った。

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1年経って思うのは(思いはありすぎるが)、

「人っていいな」「世界って面白いな」と自分に感じさせ続けたくてこんな生活を続けているのかもしれないなーと思う。「行ってると楽しいから」なのはもちろんだけど、「楽しい」の意味を噛みくだいてみたら、そういうことな気がしている。

このスタイルがきっとあってる。見たことないものが好きみたい。驚くのが好きみたい。

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f:id:soramidate:20171231180137j:plainすごい自然に出会ったり、異文化を日々痛感したり、戦争や貧富について突きつけられたり、そういったものがきっと私には日々必要。

 

こんな生活できると思わなかったけど、工夫ひとつで全然できる。思い切ってみて、良かったな、と。知らない土地に2018もどんどん行って、「なんだそれ!」って言いまくりたいな、と思う。

 

第1位  アートが無いと狂いそうになると知った

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あまりにもびっくりしたこと。「私、アートが無いとダメらしい!」

そういった意味からも、東京は最高だ。いつだって面白い何かをやっている。

セブ生活が長くなると、もう何でもいいから芸術に触れたくて、ストリートアートまで見に行くし、生バンドがあるバーと聞けば一目散に行った。

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でも、命削ったアーティストの作品じゃ無いと、残念ながら満たされきれないものがある。

 

アーティストとの語らいもすごく大事で、できない時期が長くなると感覚がどんどん愚鈍になって気持ちが悪い。「生きるとは何か」みたいな形のないことを話せる相手って、実はそんなにすぐには会えなくて、その不足が頂点に達したとき、「あ、日本に帰ろう!」って思う。

アートと、アーティストとの交流は、すごく大事。こんなに大事だとは。

それはつまり、「形がないもの」に思いを馳せることが私にはあまりにも大事みたい。びっくりした。

今年は移動ばかりしていて、アーティストとあまり接さなかった。代替として“妄想をとにかく爆発させる”ことばかりをしていたので、来年は自分以外の誰かの想像ともっと出会いたいなと思う。

 

おわりに 

そんなこんなの2017。バタバタしてたなー。

「私はなんのために書くんだろう」を、ずっと考えてたように思う。

その上で、「ああ、書くことは必須じゃないなあ」と思っている。

 

脚本家という仕事をもちろん中心に据えて生きていくのだとは思うが、”遠くにいる誰か”に言葉を放つことよりも、”目の前に居る誰か”に言葉を放つことに、今少し関心が向いている。

 

元来私は、人に影響なんて与えたくなくて、だから何か強い言葉を発するのは苦手。どこか本当は文章を書く人には向いてなくて、好きだから暇さえあれば文章を書いちゃうんだけど、それ一色の生活はきっと向いてない。

 

だから、言葉に限らず、やりたいことをやっていこう、って思う。

今年はトークライブ的なものとか何回かやったけどそうやって直接言葉を伝えるのもいい。裏方としてイベントを企画したりもしたけど、そういうのもいい。

一つの道を極めた方がいいのはわかるけど、あんまり「これ!」って決めずに、やっていきたいな。

私は人間と向き合うのが好きだから、人間にさえ向き合ってれば、方法はなんでもいい。

今年は「私これやりたい!」で動いてたけど、「あなたこれ向いてるのでは?」に沿ってみたいという気もしていて。少し他人軸で生きてみたいみたい。

 

実際はここに書いていない、お酒飲んでキャーキャーとか恋愛でキャーキャーとかに多くの時間を取られながら、なんだか懸命に生きた2017だった。

来年も、よろしくお願いします。

一人でも多くの人と、実際に会って、実際に時間を過ごし続けられますように。

「オラ、強くなりたいんだ!」と、仲間たちと12時間公道で立ち続けます。

色々お話したいことが溜まって来ているので、書くのも良いけど直接話す機会があったらいいのになあとか思っている。

【次回の公演】「他重人格」

【映画】

DVD発売中「私たちのハァハァ」

【WEBコラム】

「31にもなって約2週間仕事もせずにXを無心で追いかけてみる」

「初めましての恋バナ図鑑」

【劇評】

2月2日朝日新聞デジタル

【掲載】

週刊SPA!「いま、女たちが「都合のいい男」を欲しがるわけ」

LIG「言葉オタクなんです、私」

 

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